シニアライフの食事とフレイル

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フレイルとは?

フレイルとは、英語の「frailty(虚弱、老衰)」が語源で、日本語では「虚弱」とも訳されます。フレイルは、加齢に伴い心身の活力(運動機能や認知機能など)が低下し、生活機能障害や要介護状態のリスクが高まる状態を指します。しかし、適切な介入や支援により、生活機能の維持・向上が可能な状態でもあります。フレイルを予防することで、健康寿命を延ばし、要介護状態になるのを遅らせることができるため、フレイル予防は高齢者の健康管理において非常に重要です。

フレイルになるとどうなるのか?

フレイルは多くの場合、加齢に伴う食欲不振から始まります。これにより慢性的な低栄養状態が発生し、筋肉量が減少する「サルコペニア」となり、身体機能が低下します。この身体機能の低下が日常生活の活動量を減少させ、さらに食事量が減少するという悪循環(フレイルサイクル)に陥ります。これにより、転倒や骨折のリスクが高まり、要介護状態へと進行する可能性が高くなります。

フレイル予防・改善に大切な3つのこと

フレイルを予防・改善するためには、以下の3つの要素が重要です。

  1. 食事(栄養):良質なたんぱく質をはじめとした栄養素をバランスよく摂取する。
  2. 運動(筋肉):その人の状態にあった適度な運動を続け、筋力を維持する。
  3. 人との交流:社会とのつながりを持つ。

ここでは、特に1の「栄養バランス」について詳しく見ていきましょう。

日々の食事からフレイル予防を目指そう

フレイル予防における食事の役割は非常に重要です。慢性的な低栄養状態はフレイルサイクルの入り口となりやすく、食事を通じて体重や筋肉量、骨量を維持することが重要です。

重要なたんぱく質

「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省、2020年版)では、65歳以上の低栄養予防やフレイル予防のために、50歳以上のたんぱく質摂取量の下限値が引き上げられました。健康のために運動をしていても、筋肉の材料となるたんぱく質が不足していると、体調不良を引き起こす要因となる可能性があります。

たんぱく質摂取の目標量

65~74歳の男性では、運動量に応じて77~138gのたんぱく質摂取が推奨されています。65~74歳の女性では、58~105gの範囲が推奨されています。若年層とほぼ同じ目標量であり、意識して摂取することが求められます。

簡単な工夫でたんぱく質をプラス

普段の食事にたんぱく質を豊富に含む食品を追加することで、摂取量を増やすことができます。例えば、朝食にはバターだけのトーストにハムやチーズをのせ、ヨーグルトをプラスするなどの工夫があります。また、いつもの食事に枝豆や納豆を追加したり、味噌汁に豚肉を加えて豚汁にしたりするのも手です。缶詰や冷凍食品を利用することで、手軽にたんぱく質を補うことができます。

フレイル予防のための食事のポイント

  1. 1日3食を心がける:1回の食事量が減る高齢者でも、1日3回以上の食事を心がけることで、必要なエネルギーやたんぱく質をしっかり摂取できます。規則正しい食事は生活リズムを整え、活動量の増加や食欲の向上に繋がります。
  2. 孤食より共食を:家族や友人と一緒に食事をすることで、コミュニケーションをとりながら食事ができ、食欲が高まり、品数も増えて多様な食材を摂取できます。地域のデイサービスや通いの場での共食も積極的に活用しましょう。
  3. バランスよく食べる:菓子パンや麺類など単品メニューではなく、肉、魚、乳製品、大豆製品などたんぱく質を多く含む食品をおかずに1品加えましょう。好きなものだけに偏らず、少量でもバランスよく食べることが重要です。

まとめ

老後の生活をより充実させるためには、フレイル予防が欠かせません。フレイルを予防するための食事は、栄養バランスを考えた適切な摂取が重要です。特に、たんぱく質を中心とした栄養素をしっかりと摂ることが、筋肉量や骨量の維持に繋がり、フレイルサイクルを防ぐ鍵となります。

元気なうちから、日々の食事を見直し、適度な運動や社会参加を心がけることで、健康寿命を延ばし、より豊かなシニアライフを楽しむことができます。食事の工夫を取り入れ、適切なフレイル予防を実践していきましょう。

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